SIAFにとってのディレクター

サイアフの10年 ディレクター選びの10年

サイアフの歴史は ディレクター選びの歴史といっても過言ではない

サイアフ2014 2017と 国際げいじゅつさいの名に恥じない世界的アーティストが就任した 彼らの感性がそのままげいじゅつさいの方向性に反映され それぞれまったく異なるげいじゅつさいができあがった
この当時はゲストディレクター制を採用していた つまりディレクターはゲストとして自由に創造性を発揮し ホストである事務局が実現のために全力を尽くす構造である

それぞれ素晴らしいげいじゅつさいになったが課題も残った それが市民還元だ

行政サービスとしてのげいじゅつさい

市が主催するということは げいじゅつさいも一つの市民サービスと捉えることができる あらゆる催しは 結果的に 行政の戦略に沿った市民還元のあり方を求められる

サイアフ2014 2017は芸術関係者へのプレゼンスは高まったが 市民還元に関する事業評価では厳しい声もあった
この結果の責任はホストである事務局にある 新しく立ち上げたばかりの事務局にはゲストを迎える準備ができていなかったのかもしれない
ゲストディレクターのやりたいことと市民をつなげる翻訳や編集の力が弱かったともいえる

そこでサイアフ2020では ディレクターチーム制を採用
しかしながら 前述の通り サイアフ2020は開催中止となったため実際に機能したかどうかは検証できなかった

事務局とのズレを少なく

サイアフ2024のディレクターである小川秀明氏の起用にあたっては ディレクターに求める開催要件を設定し就任の条件とした

げいじゅつさいを一過性に終わらせずに市民へと還元するあり方の設計や 地域性を生かすための冬開催 ユネスコ創造都市ネットワークの文脈を紡ぐことなどを求めたが 結果その多くを実現することができたといえそうだ

小川ディレクターが所属するアルスエレクトロニカはリンツ市の行政機関でもあるため行政に対する解像度が非常に高く げいじゅつさいの方向性やコミュニケーションにおいて生じるズレが最小限だった
対行政という意味では これまでのディレクターのなかで最も事務局との距離が近かったのが小川ディレクターだったのかもしれない

サイアフも10年続き 事務局の体制も確立してきた この安定感があれば 再びゲストディレクターを招いても相乗効果を生み出せるだろう