レポート掲載
こうしんび 2026年 いちがつ13日
第1回 札幌市オウル市フィンランド
トークイベント街と街のクリエイティブミーティング創造都市のこれから
札幌市 図書情報館 1Fサロン
2026年2月6日 金曜日
目次
レポート
2026年にがつ6日きんようび 札幌市図書情報館1階サロンにて トークイベント街と街のクリエイティブミーティング創造都市のこれから第1回 札幌市オウル市フィンランドを開催しました 札幌市とフィンランドオウル市は 創造性をまちづくりの核と捉え 都市同士の国際的な連携や交流を目指すユネスコ創造都市ネットワークUCCNのメディアアーツ分野に加盟しています 今回のイベントでは オウル市で冬に開催される2つのフェスティバルから LehtinenレフティネンさんとBjörklundビョルクルンドさんを迎え それぞれのフェスティバルの概要やオウル市でのメディアアーツの取り組みについてご紹介いただきました また サイアフ2027参加アーティストも登場し サイアフスクールの活動を振り返りながら 両市のパートナーシップを構築するとともに 今後の連携に向けた可能性を模索する機会となりました
撮影 橋爪 涼 (左から)Björklundさん、Lehtinenさん、藤木さん、細川ディレクター(司会)※中里さんはオンライン参加
登壇者の紹介の後 本イベントの趣旨として 細川ディレクターからUCCNの概要紹介があり 札幌国際げいじゅつさいサイアフが創造都市さっぽろの象徴事業として始まった経緯や サイアフの歴史 そして今後はUCCNの都市間連携にさらに力を入れていくという内容の説明がありました 登壇者の紹介の後 本イベントの趣旨として 細川ディレクターからUCCNの概要紹介があり 札幌国際げいじゅつさいサイアフが創造都市さっぽろの象徴事業として始まった経緯や サイアフの歴史 そして今後はUCCNの都市間連携にさらに力を入れていくという内容の説明がありました
光の祝祭と氷上の野外パーティーフィンランドオウルの冬を豊かにする2つのフェスティバル
北極圏まで約170㎞ 人口は約22万人というオウル市 札幌より積雪量は少ないものの 降雪期間が5か月間と長く 気温がとても低いという特徴があるそうです 国際色豊かで テクノロジーやICT クリエイティブ産業が盛んで 今年は欧州文化首都に選ばれたこともあり大きな盛り上がりを見せているそうです エアギター世界大会でも知られています
撮影 橋爪 涼
撮影 橋爪 涼
Lumo Light Festivalは 日照時間が短くなり暗さが深まる1いちがつに開催される光のフェスティバルです 2026年は欧州文化首都プログラムの一環として規模を拡大し10日間にわたり実施されるLumo Art Techの中核事業として位置づけられており 公募を含む選考により作品を選びます Lumo Art Techでは Light Festivalに加え 地下駐車場を活用したメディアアート展示や スポーツドームでのプラネタリウムとオーケストラによる公演なども予定しています 文化専用の大きなスペースが限られる中 このように他施設を活用することで工夫しています Lehtinenさん
Frozen Peopleは 電子音楽や北方芸術に焦点をあてたフェスティバルで 欧州文化首都の公式プログラムの一つにもなっています ボスニア湾の凍った海の上で開催するため 水平線が消え去り 終わりのない魔法のような景色を作り出します 冷気や風 雪 氷などの厳しい自然環境は 抵抗するためのものではなく 探究し活用するための大事な要素 持続可能性や社会的包摂性 文化多様性 環境への責任 気候変動などを主要テーマとしており 議論と感情を呼び起こす 大胆で洞察的な作品を選ぶことを大事にしています このフェスティバル開催自体がいつまで氷の上で開催できるかという気候変動への問いかけでもあります Björklundさん
中里唯馬が フィンランドでのフィールドワークから得た気づき
欧州文化首都プログラムの一つとして 中里さんは今年ごがつにオウル市で個展を開催されます 現地でのフィールドワークを通して生まれた作品群の一部を サイアフ2027においてモエレ沼公園ガラスのピラミッド内で紹介する予定です
撮影 橋爪 涼
YUIMA NAKAZATOというブランドで パリで年2回開催されるオートクチュールファッションウィークにてコレクションを発表しています 活動は現代アートに近く 2022年にはアフリカケニアを旅して廃棄された衣服から新しいテキスタイルを作成し パリで発表しました ファッション業界におけるサステナビリティを重要課題と考え ジャーナリスティックな視点で発信しています 人工合成タンパク質を利用した新たな繊維にも着目し 衣服産業の課題解決は人類の未来に繋がると考えます オウル市での個展の機会をいただき まずはフィールドワークのためにハイルオト島とラップランドを旅しました その時 寒さから身体を守るという衣服の起源を実感し 同時に人間の弱さや繊細さについても改めて認識しました オウル市での個展では こうしたインスピレーションを元にファッションと写真の展示を行います また それらの作品をさらにブラッシュアップさせてサイアフ2027で発表することを楽しみにしています 中里さん
サイアフスクールにおける藤木さんフジ森の活動紹介
撮影 橋爪 涼
サイアフスクールでは 2023年からこれまでプログラミングを活用した出前授業を札幌市内の小中学校で実施してきました その中で藤木淳さんと寛子さんによるアートユニットフジ森は 教材開発と成果発表を主に担当していただいています その取り組みを今後はオウル市でも展開できないかという話が進んでいます
サイアフスクールとは
サイアフを未来の学校と捉えた取り組み アーティスト 市民 学校 行政などが連携することで生まれる独自のアイデアやネットワークを活用して 誰もが新たな発見や体験 学びを得られる機会を提供していきます
サイアフスクール用に雪の結晶を制作するアプリケーションを開発しました この教材では ポイント点とストローク線というコード命令を入力することで 子どもたちが簡単にさまざまな形の雪の結晶を作ることができます 2023年から継続する中で 教材内容や成果発表での展示方法などをアップデートし 出前授業を受講した子どもたちや来場者の方々に楽しんでいただけるように工夫してきました 藤木さん
オウル市札幌市 今後の連携に向けて
撮影 橋爪 涼
お互いの都市におけるメディアアーツの事例紹介を受け 今後の連携について話題が進みました
Lumo Light Festivalにおいても 学校との共同プロジェクトを13年間続けています アーティストがコンセプトを練り上げ 先生方を通じて約20校 1000人近くの子どもたちへと届けます フジ森さんのプロジェクトはオウル市でももちろん実施可能ですし 完成作品はLumo Light Festivalでぜひ展示しましょう もしオウルでの成果物を札幌でも展示していただけるのであれば 子どもたちにとっても大変喜ばしいことです Lehtinenさん
サイアフスクールで出前授業をするために 色々な準備をして学校を募集し 調整するということに苦労を感じているので オウルでも仕組みを作るのは大変ではないかと思っていました 問題ない やりやすいと言っていただけて驚き 同時にとても楽しみです 細川ディレクター
オウル市は雪が降るという点では札幌と似た環境と言えますが 子どもたちの雪に対する印象は近いようで遠いのかもしれません プログラミングを通して そういった感じ方や考え方の違いが現れるのかどうか 気になります またオウルでのプログラミング教育の現状についても知りたいです 藤木さん
実は 去年のLumo Light Festivalでは雪をテーマにしたスクールプロジェクトを行いました フジ森さんのプログラムも雪雪の結晶をつくろうということになりますが 同じテーマだからこそそれぞれのアート作品の異なる視点を楽しめるのではないかと思います また 藤木さんがおっしゃったように 文化的側面を含めると日本とフィンランドでの雪に対する認識の違いというのも やはりあるのではないかと思います オウルでもプログラミングの授業は大事にしていて 9歳から始まります とくにゲームのプログラミングに対して市民の関心が高いと思います Lehtinenさん
今年のFrozen Peopleのポスターデザインには ゲームやプログラミングの要素を取り入れています 過去には プログラミングを学んだ学生が How to dressというフェスティバル参加者向けに服装のポイントを紹介するアニメゲームを作成したこともありました Björklundさん
撮影 橋爪 涼
おわりに
サイアフ2027開催に向けて 今後もトークイベントなどを開催していきます 次回はさんがつ7日どようび スイスのメディアアートコレクティブでサイアフ2027参加アーティストのfragmentinフラグメンティンと同じくサイアフ2027参加アーティストでファッションデザイナーの中里唯馬さんのほか サイアフ2027オフィシャルパートナー藝術と技術の対話DATのエグゼクティブディレクターで日本のメディアアートのパイオニアである藤幡正樹さんをお迎えしてオープンディスカッションサイアフ2027オープントーク アーティストと考えるモエレ沼公園の可能性を開催します たくさんのご参加をお待ちしております
イベント情報
「Frozen People」Photo by Harri Tarvainen
開催概要
北フィンランド最大都市で2026年の欧州文化首都にも選ばれた オウル市関係者が来札 サイアフ2027参加アーティストも登場
フィンランドオウル市には 冬に開催される地域性の高いユニークな2つのフェスティバルがあります それぞれのフェスティバルから LehtinenレフティネンさんとBjörklundビョルクルンドさんをお招きし フェスティバルの概要やオウル市でのメディアアーツの取り組みについてご紹介いただきます
Lumo Light Festival
Frozen People
サイアフ2027参加アーティストで 今年ごがつからフィンランドオウル市美術館での個展を控えているファッションデザイナーの中里唯馬さんには同地でのフィールドワークから生まれた新作と展覧会について アートユニットフジ森の藤木 淳さんには 今後オウル市との連携を予定しているメディアアーツの取り組み等についてお話いただきます
YUIMA NAKAZATO Couture GLACIER
フジ森みんなのコード[雪木星]2025
- 開催言語は日本語となります 英語話者による発言には逐次通訳が入ります
- 日時
- 2026年にがつ6日きんようび18時30分-20時 開場18時
- 定員
- 50名先着
- 主催
- 札幌国際げいじゅつさい実行委員会札幌市
- 会場
- 札幌市 図書情報館1Fサロン 札幌市中央区北1条西1丁目 札幌市民交流プラザ
お申し込み
ご好評につき 申込枠を追加しました
登壇者
Leevi Lehtinen レーヴィ・レフティネン
オウル市 Lumo Light Festival(ルモ・ライト・フェスティバル)プロジェクトマネージャー
Rosa Björklund ローサ・ビョルクルンド
Frozen People(フローズン・ピープル)エグゼクティブプロデューサー オウル・アーバン・カルチャー協会
中里唯馬 NAKAZATO Yuima
オンライン参加
ファッションデザイナー / SIAF2027参加アーティスト
1985年生まれ。2008年、ベルギー・アントワープ王立芸術アカデミーファッション科を卒業。 2016年7月にはパリ・オートクチュール・ファッションウィーク公式ゲストデザイナーの1人に選ばれ、現在に至るまで日本人で唯一、パリ・オートクチュール・ファッションウィークにてコレクションを発表し続けている。近年では、単独回顧展‟BEYOND COUTURE”がフランスの公立美術館であるカレー・レース・ファッション美術館にて開催された。 アメリカのボストン・バレエ団やスイスのジュネーブ国立劇場などで行われるオペラやバレエ等、舞台芸術の衣装デザインを行う。また、自らが発起人となり、未来を担う次世代のクリエイターのためのファッション・アワードFASHION FRONTIER PROGRAMを創設。
藤木 淳 FUJIKI Jun
アートユニットフジ森 / 札幌市立大学デザイン学部教授
藤木 淳と藤木寛子の夫婦による札幌を拠点とするアート・ユニット フジ森。構想はそれぞれで持ち寄り、藤木 淳がインタラクティブ設計、藤木寛子がビジュアル構成を担当し、鑑賞者参加型のアート作品を展開している。 藤木 淳は独自のアルゴリズムに基づくインタラクティブ作品を、藤木寛子は映像インスタレーションなど作品を制作。2014年より合作を始め、2019年よりユニット名をフジ森とした。2023年度より、SIAFと協働した出前授業を実施。子どもたちの成果をひとつの作品としてまとめ、SIAF2024および2025さっぽろ雪まつりにおいて展示した。
司会細川麻沙美サイアフ2027フェスティバルディレクター
関連イベントパネル展示世界とつながる“メディアアーツ都市さっぽろ”
さっぽろ雪まつり大通6丁目会場で実施する札幌国際げいじゅつさいプレイベント内において ユネスコ創造都市ネットワークのメディアアーツ分野に加盟する世界26カ国27都市を紹介するパネル展示を行います
実施概要
- 日程
- 2026年にがつ4日すいようび~11日水祝10時-20時
- 会場
- 札幌国際げいじゅつさい 冬のプレイベントさっぽろ雪まつり大通6丁目会場の一画
- 参加方法
- 入場無料自由
- 主催
- 札幌国際げいじゅつさい実行委員会札幌市
- 協力
- 旭川市
札幌市は文化芸術の持つ創造性を生かし まちを活性化するという考えをもとに 2006年に創造都市さっぽろを宣言 2013年にはユネスコ創造都市ネットワークメディアアーツ都市に認定されました サイアフはその象徴事業として2014年に始まり 現在は2027年いちがつにがつに開催予定のサイアフ2027に向けて準備を進めています
ユネスコ創造都市ネットワークメディアアーツ都市について
ユネスコ国際連合教育機関創造都市ネットワークUNESCO Creative Cities Networkは 創造的文化的な産業の育成 強化によって都市の活性化を目指す世界の都市が 国際的な連携相互交流を行うことを支援するため 2004年にユネスコが創設したネットワークです
登録分野8つのうちの一つがメディアアーツで デジタル技術などを用いた新しい文化や クリエイティブ産業の発展を目指すと共に 都市生活の改善に結びつくメディアアーツの振興や 文化多様性の理解等を促す電子芸術の成長をけん引する都市が加盟します
現在26カ国27都市が加盟しており 札幌市は2013年 フィンランドオウル市は2023年に加盟しました
2025年ユネスコ創造都市ネットワーク年次総会の様子 ©Bastien André / UNESCO / Ville d'Enghien-les-Bains
City of Sapporo is responsible for the choice and the presentation of the facts and opinions in this article, which are not necessarily those of UNESCO and do not commit the Organization.