視察報告-参加アーティスト・堀尾寛太
こんにちは、SIAF2017 コーディネーターの斎藤です。前回に引き続き、参加アーティストの視察報告をお届けします。今回は堀尾寛太さんの冬の札幌視察の様子です。
堀尾さんが札幌に来るたびにほぼ毎回通っているのが、街の西に位置する藻岩山です。市電に乗って電停「ロープウェイ入り口」で下車、ロープウェイの乗車場所まで無料のシャトルバスが出ています(歩いても10分くらい)。札幌市民は滅多に登らないようですが、街を一望できるスポットとして観光客には大人気。ロープウェイに乗るといつもいろいろな国の言葉が飛び交っています。夏は気持ちのいい景色の中を車で走り抜け、山の中腹まで行くこともできます。今回は強風でロープウェイが運休だったため登るのを断念。
ちなみに秋はこんな感じで、徒歩で中腹駅から頂上まで登っていました。
藻岩山の南側と西側の斜面にはスキー場もあります。堀尾さんも今回、オフの日に滑りに行きました。冬は空気が澄んでいて街がよく見えます。
地下鉄南北線「真駒内」駅からバスで15分でこの景色!前述の中腹まで続く道路の一部を、「観光道路コース」として滑ることができます。景色を楽しみながら進む緩やかな斜面は、初心者にもオススメのコースです。札幌育ちの方によれば、小学生の頃はタクシーで友達と乗り合って藻岩山に滑りに来ていたとか!
この季節、最高気温がマイナスの「真冬日」も多く、つまり降った雪は融けずにどんどん増えていきます。地域によっては温水などで融かすところもあるようですが、札幌では雪を邪魔にならない場所まで運びます。これを「排雪」と呼び、雪を捨てる場所は通称「雪捨て場」と呼ばれています。近場では公園や豊平川の河川敷などがありますが、かなり大きな雪捨て場もあるようです。それを見たい!という堀尾さんのリクエストに応え、石狩市にほど近い、新琴似の雪堆積場(雪捨て場)へ。車で走ること約30分。たぶんこの辺・・・と差し掛かったところで、一同「おおおー!!」
現場の方によれば、「宇宙一大きい」雪捨て場だそうです。小さく見えるトラックが載っている広大な土地自体が、雪の山です。車両が滑らないように土や砂利をまいた部分が茶色く見えています。カメラでは全貌が写せないので、こちらをご覧ください。
予定搬入量は1,200,000㎥。「りゅうべい」の単位を使ってご説明頂きましたが、まるでわからなかったので(笑)この模型で解説しますと、台形の一番大きい土地(第1ステージ)、その上に少し丸い土地(第2ステージ)、さらにその上に帽子のような土地(第3ステージ)が見えます。このように雪の土地の上にさらに土地を作っていくそうです。こんもりした大きな山をイメージしていましたが、そんなレベルではありませんでした・・・。ここには札幌市内の雪の約1割が集まるそうです。
(※この雪捨て場は個人の方でも捨てに行けますが、見学は行っていませんのでご注意ください!)
そして最後は「地図と鉱石の山の手博物館」です。藻岩山、円山と並ぶように街の西に位置し、市民に親しまれている三角山の近くにあります。地下鉄東西線「西28丁目」駅からバスで約10分。
外観は普通の会社のように見えますが、中に入ると・・・。
めくるめく石の世界!道内はもちろん、世界中から集められた石が展示されています。
これはブラックライトで光る蛍光石。
恐竜との組み合わせ。
堀尾さんのお気に入り「テレビ石」。図像が表面に浮き出て見えます、不思議!
そして地下へ降りていく途中に、なんと!
廊下の角で石とコラボするSIAFポスター。使い古したパネルに波打ちながら貼られている様子も最高です。ありがとうございます。
そのまま地下へ降りると、そこは地図のコーナーです。ん?床に何か貼ってあるなあと思ったら・・・
お気づきでしょうか?北海道の上に机が載っています。
地図好きの堀尾さんは、棚に並ぶさまざまな地図をチェック。古い地図はもちろん、世界の火山ポストカード(!)など、マニアックな資料が充実していました。
光や音、振動など、物理現象を使った作品を制作している堀尾さん。札幌でどんな作品を発表するのでしょうか?次回の報告をお楽しみに!
コーディネーター 斎藤