こうしんび 2025年 1いちがつ14日

レポート掲載

アーティスト檜皮一彦も登壇

チカホでアートとアクセシビリティを学ぶ

札幌えきまえどおり地下歩行空間

2025年10月12日 日曜日から2025年10月13日 月曜日まで

目次

レポート

札幌国際げいじゅつさいサイアフは 2025年じゅうがつ12にちようび13日月祝の2日間 札幌市ユニバーサル推進室が地下歩行空間チカホで開催したユニバーサルFesに参加し トークイベントとパネル展示を実施しました

  • 札幌市が進める共生のまちづくりを市民に身近に感じていただくための総合イベント

トークイベント 檜皮一彦と考えるアートとアクセシビリティリサーチ

登壇者 (左から) 細川麻沙美:フェスティバルディレクター(司会)、 檜皮一彦:アーティスト 、丸田知明:スタジオディレクター 、漆 崇博:スクールディレクター

檜皮さんの活動紹介

トークは 代表作HIWADOROMEシリーズをはじめとした活動紹介から始まりました アートはやりたいことを表現するための手段であり 車いすは社会を観察表現するための“メディア媒体”として意図的に活用しているという話はとても興味深いものでした

サイアフにおけるアクセシビリティリサーチ

続いて細川ディレクターから サイアフのこれまでのアクセシビリティへの取り組みが紹介されました 檜皮さんは建築への介入を通じて モビリティやアクセシビリティを考察提案するwalkingpractice™というプロジェクトをさまざまな場所で実施しています 初の冬開催となったサイアフ2024では 檜皮さんの協力のもと 冬の札幌における車いすユーザーの作品鑑賞条件のリサーチのため同プロジェクトを実施 このリサーチを通じて 冬の札幌で車いすユーザーが直面する見えないバリアなど 同氏ならではの貴重な気づきや視点が共有されました 特に ロードヒーティングなどによる路面のわずかな勾配や段差が車いすにとっては大きな壁になるというエピソードは 参加者の共感を呼びました

サイアフ2027への展望

トークは サイアフ2027に向けて このリサーチをどう活かすかという具体的な展望へと進みました

丸田ディレクターからは 自身がアーキテクトを務める国際げいじゅつさいあいちでの実践を通してアクセシビリティ対策を単発で終わらせず 組織的かつ持続的に検討していくための仕組みが必要だという話がありました また サイアフ2027に向けては国際げいじゅつさいあいちの実例や檜皮さんの多角的な視点を 企画展示設計の準備段階から取り入れていくことが重要という認識共有がされました

漆ディレクターからは 檜皮さんとのプロジェクトを通して げいじゅつさいのより有意義な参加や鑑賞のためのサポート活用に学びと実践の機会を生みだしていきたいとの話がありました

参加者のアンケートでは アートに関するアクセシビリティへの理解が深まったげいじゅつさいを見る上であまり考えたことのなかった視点だが 大切だと思ったといった声が寄せられました

パネル展示 札幌国際げいじゅつさいサイアフアクセシビリティリサーチ ~これまでの実践紹介~

サイアフの展示ブースでは サイアフ2027のテーマに加え これまでサイアフが取り組んできた手話ガイドや特別鑑賞ツアーなどのアクセシビリティに関するプログラムについてパネルと映像で紹介しました また 今回の展示にあたっては ふむふむサポーターの皆さんが サポート活動を行いました

今回活動に参加したふむふむサポーターは 合計14名 事前に行われた研修会に参加し アクセシビリティやサイアフの取り組みについて学んだ上で ユニバーサルFesでの活動に臨みました

各時間帯2 3人のサポーターが展示ブースに立ち 来場者の方々にサイアフの取り組みを紹介しました
来場者の中には サイアフをよく知っているという方もいれば まったく知らなかったという方もいましたが サポーターの皆さんはそれぞれ工夫して サイアフが実践してきたアクセシビリティに関する取り組みについての説明を行いました

サイアフを知らなかったという方でも サポーターさんの熱意ある解説に 興味を持って長時間耳を傾けてくださる場面もあり サイアフの取り組みを広める大変良い機会になりました

なお今回の展示ブースを作る際に 車いす利用者の方にも見やすいよう パネルの位置を下げるという工夫をしています 車いす利用者の方が見てくださったときには そうした配慮について話が弾んだようです

改めて 活動してくださったふむふむサポーターの皆さん ありがとうございました

今回のユニバーサルFesにおいては トークイベント パネル展示ともにたくさんの方々にお越しいただきました ご参加いただいた皆さま ありがとうございました

サイアフはこれからも アートを通して新たな価値を創造し 地域と文化を結びつける活動を続けてまいります 今後の札幌国際げいじゅつさいの活動にどうぞご期待ください

イベント情報

トークイベント檜皮一彦と考えるアートとアクセシビリティリサーチ

サイアフではげいじゅつさいへの多様な来場者を想定したプロジェクトを継続的に実践してきました 初の冬開催となったサイアフ2024では 雪の降る冬季における車いすユーザーの作品鑑賞条件について 自身も車いすを移動に用いるアーティストの檜皮一彦氏にリサーチを依頼 建築への介入を通じて モビリティやアクセシビリティを考察提案する檜皮氏の進行形プロジェクトwalkingpractice™をサイアフ2024会場で展開していただきました

今回のトークイベントでは 一般には非公開として実施した同リサーチプロジェクトの内容や檜皮氏の多彩な活動を紹介しながら アートそのものをどのように捉えることができるのかを考え 次回サイアフ20272027年いちがつにがつ開催における実践に繋げていきます

日時
2025年じゅうがつ12日にちようび 13時30分~14時30分
会場
札幌えきまえどおり地下歩行空間 北3条交差点広場
スピーカー
檜皮一彦アーティスト 細川麻沙美サイアフ2027 フェスティバルディレクター 漆 崇博サイアフ2027 スクールディレクター 丸田知明サイアフ2027 スタジオディレクター
料金
参加無料事前申込不要
檜皮一彦

檜皮一彦 HIWA Kazuhiko

大阪出身。京都芸術大学大学院芸術研究科芸術専攻修了。

自らの移動手段である車いすをメディアとして用いるインスタレーション作品「HIWADROME」シリーズをコアに、ワークショップやリサーチ等を経て可視化された障壁や、社会に組み込まれている潜在的な勾配に対し、新たな動線の設計という具体的な実践を通じて未来へ架ける「walkingpractice / code_bridge」、車いすの車輪運動を利用しニットを生成する自作マシンを駆り、地面の状態を編み目の変化として記録する「walkingpractice / code_knitting_record」などのプロジェクトを展開している。

パネル展示札幌国際げいじゅつさいアクセシビリティリサーチ~これまでの実践紹介~

げいじゅつさいの中心主役は来場者である これはサイアフ2020で初めて取り入れたアートメディエーションの考え方です サイアフではこの意識を起点に げいじゅつさいそのもの そして展示作品に対するアクセシビリティを高めるためのリサーチやプログラムに取り組んできました

このパネル展示では 手話や筆談を取り入れたワークショップや 目の見えない人見えにくい人見える人が一緒に作品を鑑賞するツアーなど サイアフがこれまで取り組んできた実践の一部を映像やテキストで紹介します

日時
2025年じゅうがつ12日にちようび13日月祝 11時~16時
会場
札幌えきまえどおり地下歩行空間 憩いの空間 北1東
料金
無料
ユニバーサルFes

ユニバーサルFes

札幌市では 令和7年2025年しがつから札幌市誰もがつながり合う共生のまちづくり条例愛称つながるさっぽろ条例が施行されています この条例を始め 札幌市が進める共生のまちづくりを身近に感じていただくための総合イベントユニバーサルFesを開催します お問合せ市まちづくり政策局政策企画部ユニバーサル推進室 TEL011-211-2361