SIAF2014

ACTINIUM (アクチニウム) – 核をめぐる文化 –

核による近代化を確信していた20世紀の考え方を問い直すべく、核物質や核の構造、放射性崩壊、リスク認識等の問題を再び考えることにより、アーティストたちは核の経済を可視化しています。「Actinium(アクチニウム)-核をめぐる文化」は、現代における核の文化に関する対話の国際的な拠点として開催する一連のイベントです。札幌市を拠点とするNPO法人S-AIRと、英国の美術団体The Arts Catalystの共同企画で、札幌国際芸術祭2014連携事業として、展覧会とフォーラムを開催します。

アクチニウムとは、放射性元素でギリシャ語の光線を意味するAktisに由来する言葉です。私たちは、アルファ線、ベータ線、ガンマ線の様々な種類がどう影響するのか、十分に理解できていません。この「アクチニウム」という言葉には、核兵器、原子力発電、放射能汚染、放射性核廃棄物等といった核のサイクルが今日人々の日常に表面化される中で、その放射能物質というものに対してどのようなアクションを示すことが可能かを考えるきっかけとなればとの思いが込められています。

核の文化に生きる上での自分の役割に世界中の人々がより意識的になる中、開かれた議論の場をつくることが、この展覧会とフォーラムの目的です。今日、原子力産業が放射能廃棄物を地層処理することで地下に戻そうと試みる中、アーティストたちや地層学者たちは、アントロポセン(人新世)と言われる人類の時代の在り方について探求しています。放射能崩壊の地質時代区分は人間の理解の範囲を超え、知識の限界や知らないことの限界が試されています。

展覧会開催前日18日(金)20時より、参加作家やゲストを交え、オープニングパーティーを開催いたします。お誘い合わせの上、お越し下さい。
Actinium
フライヤー(PDF)

■会場
OYOYOまち×アートセンターさっぽろ
札幌市中央区南1条西6丁目 第2三谷ビル6階

■展覧会
2014年7月19日(土)~8月3日(日)
開館時間:13:00~21:00 (7/22、28休館)
オープニング・プレビュー:7月18日 20:00~22:00 入場無料

■出展アーティスト
赤城修司、イヴァ&フランコ・マッツ、カレン・クレーマー(S-AIR 招へい作家) 、クロウ&ローリンソン、ジェームス・アコード、セシル・マサート、Chim↑Pom、トムソン&クレイグヘッド

■フォーラム
2014年7月27日(日)10:00~17:00
入場料:1,500円
※要予約:こちらからご予約ください。
http://sairblog.wordpress.com/2014/06/23/booking/

政治的懸念、社会的懸念、物質と哲学的関心、地質学的時間、核の循環、日曜科学、放射能、非物質性、不可視性等をキーワードに、核の文化の分野で活動する国内外のアーティストの活動を紹介するほか、ディスカッションを行います。

ゲスト:赤城修司、卯城竜太(Chim↑Pom)、カレン・クレーマー 、スーザン・シュップリ、トムソン&クレイグヘッド、ニコラ・トリスコット(The Arts Catalyst)、野口隆史、他

■プロフィール
エリー・カーペンター(Ele Carpenter)
サンダーランド大学院博士過程修了、現在はロンドン大学ゴールドスミスカレッジ芸術学部のMFA Curating Courseで教鞭を取る。
政治化したアートや制作における社会的ネットワークを専門に、キュレーター、作家、リサーチャーとして活動する。個人、団体、組織と恊働して、特定の社会政治的文化の文脈に関する、キュレーション等のクリエイティブな活動を行う。2011年からは、ロンドンのThe Arts Catalystと協同で、原子力潜水艦の廃船プロセスにおけるアーティストの関わり方を調査し、「Nuclear Culture(核をめぐる文化)」と題した研究プロジェクトを開始した。

アーツ・カタリスト (The Arts Catalyst)
アートと科学の分野へのユニークな取り組みや、意欲的なプロジェクトを実施する、イギリスでも特有な活動を試みる美術団体。20年間の活動で、120以上のプロジェクトを手がけ、その中には、Tomas Saraceno、Aleksandra Mir、Critical Art Ensemble、Jan Fabre、Otolith Group、Marko Peljhanのプロジェクトがあり、イギリス国内外で多くの展覧会やイベントを開催する。科学分野に関わるアーティストの活動のサポートや、問題提起のための対話を促すなど、この分野において率先的な活動を行う。http://www.artscatalyst.org

特定非営利活動法人S-AIR(エスエア)
NPO法人S-AIRは、1999年度より文化庁などの補助金を受けて北海道でアーティスト・イン・レジデンス(AIR)事業を開始。NPO法人となった2004年度以降は、ICC(さっぽろ産業振興財団、インタークロス・クリエイティブ・センター)との共催でAIR事業を展開、ICCを離れた現在も継続して国内外のアートセンターやアーティストとのネットワークを形成している。2011年度からは、新たに文化庁より補助金を受け、「FRONTIER」という新たなプログラムを展開する。
http://www.s-air.org/

■主催
NPO法人S-AIR、The Arts Catalyst

■キュレーター
エリー・カーペンター(S-AIR Frontierプログラム招へいキュレーター)

■助成
平成26年度 文化庁 文化芸術の海外発信拠点形成事業
札幌市文化芸術振興助成金 ポーラ美術振興財団 大和日英基金
Arts Council England Goldsmiths College, University of London

■協力
OYOYOゼミ 無人島プロダクション 山本現代 アラタニウラノ

■お問い合わせ
特定非営利活動法人S-AIR
札幌市東区北6条東2丁目2-10 3F-A
電話:011-299-1883
Email : info@s-air.org