SIAF2014

ニュース

オープニングセレモニー開催!
「Whirling noise – 旋回するノイズ 」を発表します!

7月19日(土)にいよいよ開幕を迎える札幌国際芸術祭2014。
開幕当日、メイン会場の一つであるモエレ沼公園にてオープニングセレモニーを開催します。

上田文雄札幌市長のあいさつのほか、芸術祭のゲストディレクター坂本 龍一が発案したプロジェクト「Whirling noise(ワーリング ノイズ) – 旋回するノイズ 」を発表します。
200羽ものレース鳩のうち100匹に、オリジナルの笛(鳩笛)を着け、飛ばすことで、鳩たちの受けた風を音に変換する作品です。
このプロジェクトは、札幌市の「元気ジョブ事業」で紹介を受けた、地元の障がい者団体「社会福祉法人札幌三和福祉会」と、レース鳩愛好家の皆さんの協力を得て実現したもの。鳩に取り付ける100羽分の笛は札幌三和福祉会の障がいのある方が1つずつ丁寧に作り上げました。その笛は透明感を感じる濁りのない音色を奏でます。

「Whirling noise – 旋回するノイズ 」開催に際し、坂本 龍一ゲストディレクターよりメッセージが届いています。
レース鳩が切る自然風を活用して音を奏でる、都市の中の自然そのものと向き合ったプロジェクトにぜひお立ち会いください。
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「Whirling noise – 旋回するノイズ」について

今回、札幌国際芸術祭のために、何か環境芸術ーー古い用語ですがーーを、展示できないものかと思いました。
なぜなら、環境芸術とは、環境つまり自然、そして芸術つまり人間が作るものの融合ですので、これこそSIAF2014の「都市と自然」というテーマにふさわしいと思ったからです。

いろいろな作品がありますが、私がこれまで体験した最高の環境芸術と言えるものは、80年代にインドネシアのバリ島に行った時に遭遇したものでした。ある日、バリ島の美しい田んぼ道を歩いていると、突然頭上から聞き慣れないノイズ音がこちらに向かって来るのが聞こえました。何かと思い空を見上げると、頭上を大きな円を描きながら何十羽もの鳩が、音を発しながら飛んでいるではありませんか。鳩は遠ざかり、またこちらに向かってきます。
鳩がとうとう行ってしまうまで、私はただ時間を忘れて、驚きとともに見とれていたものです。それから30年がたちますが、その時の快い驚きを一度も忘れたことはありませんし、このワクワク感をいつか再現してみたいと思っていたのでした。「旋回するノイズ」と名付けたのも、その鮮明な思い出からきています。
今回、100羽の鳩に、手製のSIAFオリジナル鳩笛をつけて飛ばします。鳩笛はSIAF事務局のスタッフと地元の木工所が、工夫に工夫を重ねて作ったものです。音色や笛の取り付け方も、様々なサンプルを取り寄せ、研究しながら、やはり独自に作り出したものです。また、鳩は地元のレース鳩愛好家の皆様らに協力を得て、お借りしています。

私が経験した最高の環境芸術を、このSIAF2014で、みなさんと共有できることは、この上ない喜びです。どうぞお楽しみください。

坂本 龍一

【オープニングセレモニー】
■日時:7月19日(土)10時~
■会場:モエレ沼公園 ガラスのピラミッド屋外
■内容:上田 文雄札幌市長の挨拶、「Whirling noise – 旋回するノイズ 」の発表