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2021.10.28

第13回目を迎えたSIAFラウンジオンラインのレポート!

みなさんこんにちは。
第13回目を迎えたSIAFラウンジオンラインのレポートです。

今回は、ゲストに本郷新記念札幌彫刻美術館 館長の吉崎元章(よしざき もとあき)さんをお招きし、前回同様「SIAFふむふむシリーズ」の一環として、北海道立近代美術館(以下 道近美)で開催されている「道銀芸術文化奨励賞受賞作家展」について、吉崎さんの解説などを踏まえて、参加者の皆さんと感想や意見を共有しました。


右:吉崎元章さん

冒頭で、実際に展覧会に足を運んだかどうかを質問してみると、半分くらいの方がすでに鑑賞されたことがわかり、まずはそれぞれの感想の共有からスタート。

実際に展覧会を見た参加者の方からは、
「北海道の現代美術作家の作品をあまり見たことがなかった。不思議な感覚だった。実験的な作品が多い印象で新鮮だった。その後どうなったのか興味が持てた。」
「作品のボリュームと情報のパターンが多くて楽しめた。一人で行ったのだが、誰かと一緒に行けばよかった。」
などの感想がよせられました。

また、出展作家のクスミエリカさんに今回のSIAFラウンジオンラインにご参加いただいており、ふむふむシリーズの取組についてお聞きすると、
「自分は積極的に情報を伝えたいと思っている。今回は普段の展示では出さないような情報も含め、インタビューや冊子で伝えることができたのでありがたかった。」
というコメントをいただきました。


左:アーティストインタビュー放映の様子(北海道立近代美術館2階ロビー)
右:道銀芸術文化奨励賞の30年を振り返る特別ガイドブック

SIAFふむふむシリーズで用意した会場配布の冊子やインタビュー動画は、鑑賞の充実度にある程度貢献していたことがわかりまずは一安心。作ってよかった~!

一旦感想を共有した後は、ゲストの吉崎さんのお話。
この展覧会は、北海道銀行創立70周年と道銀文化財団創立30周年を記念して開催されたもので、吉崎さんは、過去に道銀芸術文化奨励賞の審査に関わられていたということでした。

作品もさることながら展覧会そのものの組み立てに関心のある吉崎さん。今回の展覧会が、道立近代美術館の「常設展示室」で展開されたことがまず驚きだったというお話から、その経緯をご説明いただきました。
今回の展示は、北海道内の美術館やギャラリーが連携して取り組んでいる「アートギャラリー北海道」の一環として位置付けられたこと、展示の内容が道内作家をフォーカスしたものであったことを理由に常設展示室での展開につながったということが取材してわかったとのことでした。

美術館には、それぞれに特徴やミッションがあり、年間を通じてどのような展覧会を実施していくのか考える一方で、外部から持ち込まれる企画にどう対応していくのか、様々な苦労があるようで、美術館の裏側を知る興味深いお話を聞かせていただきました。

そして、肝心の展覧会と作品の話へ。
展示作品の中から吉崎さんがピックアップした数名の作家さんの作品についてお話を伺いました。

各作品の解説では、今回展示されている作品だけではなく、受賞当時の作品や、他の展覧会に出品された作品の写真などもご用意いただき、ひとつの作品を楽しむ上で、その背景や前後の情報を知ることの大切さを伝えてくれました。

特に、ご自身が選考に関わった当時の作家さんに関しては、受賞当時の制作スタイルや時代背景などを思い起こし熱く語ってくださったのが印象的でした。

吉崎さんの作家愛に脱帽です!

「いろんなものをじっくり見ていくと発見がある!」
と強調する吉崎さん。
じっくり見ていかないと気がつかない、作り手の意図や作品の持つメッセージを読み解く手がかりについて、吉崎さんが発見したポイントについてお話いただきました。

お話の終盤には、北海道・札幌の公募展文化についてのお話もあり、地元の芸術文化の一つの流れを知る機会にもなりました。

全体を通して参加者の方からは、
「吉崎さんの解説を聞いて作品をより深く理解できた。」
「北海道で頑張っていらっしゃる方の背景を色々聞けてよかった。」
「展覧会を見に行くのが楽しみになった!」
「今回の話を聞いてから見に行くと全然違って見えるのでは?」
などなどたくさんの感想をいただきました。

今回のSIAFラウンジオンラインは、前回同様に展覧会や作品の話をいろんな立場の人たちで共有するという機会だった訳ですが、専門的な解説も含め、それぞれの視点を交換したり、自分とは違う感想を聞くことでまた作品を見たくなるきっかけになっていれば幸いです!(登録者も随時募集中!
一度見た方も、まだ見ていない方もぜひ北海道立近代美術館で開催中の「道銀芸術文化奨励賞受賞作家展」に足を運んでみて下さい!

次回のSIAFラウンジオンラインもぜひお楽しみに!

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