WRO メディアアートビエンナーレ2019に参加してきました!
SIAF2020の企画ディレクターであるジェドシェツカさんがキュレーターとして勤務しているWROアートセンター。このセンターは、ポーランド第4の都市、ヴロツワフ市にあります。ヴロツワフは、市役所を中心に美しい街並みが広がる歴史ある都市。
この古い都市の中で、新しい芸術表現を積極的に紹介しているWROアートセンターが、2年に一回開催しているのが、WRO メディアアートビエンナーレです。
右の写真がWROアートセンターの外観。
このセンターもビエンナーレの会場の一つで、この中には、山口情報芸術センターによる展覧会《メディアアートの輪廻転生》が開催されています。SIAF事務局は、SIAF2020に繋げる色々な企画や考え方をジェドシェツカさんと共有してゆくためにも、ディレクターの天野さん、田村さんと共にこのビエンナーレに参加してきました。
WRO メディアアートビエンナーレ2019
今年で30周年を迎えたWROメディアアートビエンナーレ(略称:WRO)の18回目の開催となるテーマは「HUMAN ASPECT(ヒューマン・アスペクト)」。直訳すると「人間的な要素・特徴」という言葉から派生して、人工知能・人工生命など、テクノロジーが刻々と進化する現代において、人間とテクノロジーの複雑な関係性に焦点が当てられます。
会期:
オープニングイベント:2019年5月15日(水)〜19日(日)
プログラム期間:2019年5月15日(水)〜12月29日(日)
公式ウェブサイト:https://wrocenter.pl/en/wro2019/
オープニングは、ヴロツワフにある世界遺産である百周年記念ホールの隣にあるヴロツワフ現代美術館内のFour Dome Pavilion(四円蓋展示館)で開催されました。ここは、今回のビエンナーレのメイン会場になっています。
国立博物館の館長とヴラツワフ市長から30周年という記念すべきビエンナーレへの祝辞が述べられたあと、天野さんが紹介されました。SIAFとWROのコラボレーションの実現とこれからを広く知ってもらえる機会となりました。
この会場には、今回のWROのテーマを象徴する《Senster》が展示されています。
《Senster》は、ポーランドの彫刻家、エドワード・イナトビッチが企業のサポートのもと開発、1970年に発表されました。その後長らく行方不明になっていましたが、衛星写真から偶然に発見され、ポーランド・クラクフにあるAGH科学技術大学が中心となり、現代のテクノロジーを反映させてこの度復活しました。5mもあるこの作品は、音によって反応するという、今であれば当たり前のような技術が初期のコンピューターによって実現されています。
この一際目立つ作品の横で、不思議な音を発しているインスタレーションがARTSAT×SIAFラボの新作《SCULPTURE FOR ALL OF THE INTELLIGENCE NO.2 – SIGNALS TO BE DISCOVERED》です。地球外生命体から発せられる信号はどんなものか、それはどのように聞こえてくるのかを、地球外生命体を象徴するアンテナとそれを受信するたくさんのラジオで構成されています。
オープニングから4日間は市内のいくつかのポイントで、展示のみならずトークイベントやパフォーマンスなどが次々と実施されました。
このマップの黒と赤のポイントが会場で、特に赤の会場では日本のアーティストやプログラムが紹介されています。
左上の③は新しいアートスペースとして注目される場所です。SIAFラボメンバーはこの場所で、現地のバルーンチーム、アマチュア無線を操るチームと共同し、モジュール(小型電子機器)を搭載した気球を成層圏にむけて打ち上げ、通信するパフォーマンスを実施しました。
会場はまだ工事中!そして裏庭がパフォーマンスの会場に!
このパフォーマンス(雨の中ですが、大成功!)の様子は、6月22日(土)の夏至祭でたっぷりご紹介する予定です。お楽しみに。
夏至祭 in 札幌市資料館
2019年6月22日(土)17:00〜20:30
会場:札幌市資料館(研修室、裏庭)| 札幌市中央区大通西13丁目
当日の詳しいプログラムはこちらから→https://siaf.jp/siaflab/2019/06/03/geshisai2019/