斎藤歩氏 ご逝去について
札幌国際芸術祭2017にご参加いただいた斎藤歩氏がご逝去されました。
謹んでお悔やみ申し上げます。
斎藤氏には、SIAF2017において実施した「一緒に作ろう公募プロジェクト」の枠組みの中で、北海道演劇財団が主体となった『妖怪フィギュア・アートシアター中島公園百物語』を実現していただきました。
本作の制作のプロセスの中で、斎藤氏は、全ての演出において参加する子どもたちに寄り添いながらその手腕を発揮していただきました。
人形劇作家の沢則行氏との子どもたちによる人形制作への監修をはじめとして、セリフ、音楽、パフォーマンスなど非常に細やかで行き届いたディレクションが、人との繋がりの熱量を感じる独自の屋外パフォーマンスとして、多くの来場者を魅了したのだと思います。
現在SIAFがもっとも重点をおく、地域市民との関わりを、制作のプロセスから組み込んだ内容はこれからのSIAFでも参考にするべき、実践的なプログラムでした。
ご自身の俳優業はもとより、北海道演劇財団の団体運営、札幌座の演出など多岐にわたる活動の中で、札幌国際芸術祭のプログラムにご尽力いただきましたことは、感謝の念に堪えません。
豊かな自然に囲まれた札幌市民の憩いの場「中島公園」には、開拓時代にさかのぼる長い長い歴史があり、時代とともにその姿と役割を変えてきました。子どもと大人が「中島公園」をフィールドワークしながら、かつてあった出来事やエピソード、施設、人物などを掘り起こし、妖怪として蘇らせます。
子どもたちがデザインした妖怪をつくりあげるのが人形劇作家の沢則行、妖怪物語をつむぎあげるのは劇作家・演出家の斎藤歩、北海道演劇財団「札幌座」と札幌市こども人形劇場こぐま座のスタッフたちもこの作品のため妖怪に変化し、過去と現在が交差する中島公園で妖怪パフォーマンスを子どもたちとともに繰り広げ、都市における公園の今後を展望します。日時:8月19日・20日
会場:札幌市こども人形劇場こぐま座前の広場(札幌市中央区中島公園)
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
札幌国際芸術祭実行委員会事務局