イベント
2024.12.20

令和6年度 第4回「教育喫茶」を実施しました!

11月23日(土)、札幌市資料館SIAFプロジェクトルームにて、今年度4回目の教育喫茶を開催しました。
教育喫茶は、教育に関わる先生や学生、アーティストなどが集い、教育とアートに関する課題や可能性を話し合うコミュニティの場です。2023年にスタートし、隔月ペースで行っています。

今回は、“ユーザーインターフェースの特性から教育を考える”をテーマに、ペンタブレットを活用したワークショップ体験会を実施しました。

ユーザーインターフェースの特性から教育を考える〜ペンタブレットを活用したワークショップ体験会


今回の店長(講師)は、SIAF2024にイニシアティブ・パートナーとして参加した株式会社ワコムの淺田 一氏(写真左)と川瀬寛人氏(写真右)です。
ワコムは、ペンタブレットなどの開発・販売を行い、初心者からプロフェッショナルまで幅広いクリエイターに支持されています。近年では、新たなソリューション開発にも注力しており、SIAFとの連携をきっかけに「クリエイティブ教育」というテーマを掲げ、2023年度は札幌芸術の森美術館でのワークショップの開催や、SIAF2024の会場の一つである未来劇場において《Last Ink》や《Last Ink–連想ドローイング》の展示・運用などを行いました。この成果を踏まえ、SIAFとの継続的な連携を視野に、今年度からは、SIAFと共同で教育現場での実践を見据えたワークショップを開発しています。

株式会社ワコム《Last Ink》 札幌国際芸術祭2024 未来劇場での展示の様子 撮影:藤倉 翼

 

株式会社ワコム《Last Inkー連想ドローイング》 札幌国際芸術祭2024 未来劇場での展示の様子 撮影:藤倉 翼


ワークショップ「自分だけのモンスターをつくってみよう」

これは、子どもたちが最新のデジタルデバイスを体験する機会をつくり、ものづくりのプロセスを楽しみながら学べるワークショプ。今回の体験会は、現在開発中の内容を紹介・検証する目的で実施されました。

 

ワークショップの流れ
1.カードを使ったモンスター制作(練習)

  • 身体を描く:ランダムに配られたカードのイラストをモチーフに「身体」を描く。
  • 頭、手足、装飾を描く:各部位ごとに新しいカードが配られ、順に描いていく。
2.オリジナルカードを使った応用編

  • 「昨日食べたもの」をテーマに、白紙カードに自分でイラストを描く。
  • 作成したカードがランダムに配られ、練習と同じ手順で新たなモンスターを制作。
3.振り返りと共有
  • 作品を見せ合いながら、完成したモンスターや制作プロセスについて自由に意見交換。

今回は、二人で一つの端末を使用して実践しました。参加者のみなさんは、モチーフをどのように取り入れようか悩んだり、ペアになった方と相談しあったり、他の参加者の描くものに驚いたりと、楽しんで取り組まれていました。


感想と意見

参加者から寄せられた感想
「操作が簡単で直感的に楽しめた」
「偶然性(ランダム性)が新しい発想の引き出しになってワクワクした」
「身近な題材で新しい視点を得られた」
「絵の上手下手を問わず楽しめるツールだと感じた」
「キーボードを使うことが多い時代に、ペンで描くというシンプルな身体性のよさを感じた」
「コミュニケーションのきっかけになる優れたツールだと思う」

今後の可能性として、以下の意見もあがりました。
「モンスターの村や性格設定など、ストーリー性を加えると面白そう」
「モンスター同士でゲームを作るのもいい」
「教育以外にも、病院や福祉の現場でも活用できそう」
「オンラインで遠方の人とも交流できる仕組みがあれば楽しそう」
「遠い未来、技術が発展してもペンというツールは残っているのかもしれない」
「手そのものがインターフェイスといえるのかも」

 

おわりに

今回のワークショップは、ペンタブレットが「描く」という行為の魅力を再発見し、創造力を引き出すための有用なツールであることを実感する機会となり、未来の教育やアートの新たな可能性を探る貴重な一歩となりました。
今後も「教育喫茶」では、教育とアートの融合を探る場を提供し、実験的なプログラムの実施を目指します。興味をお持ちの方は、ぜひ事務局までお問い合わせください!

お問い合わせ先
operation@siaf.jp


淺田 一(株式会社ワコム Cloud ETC プロジェクトリーダー)
ワコム入社後、電子文具カテゴリのチャネルおよびビジネス開発、その後メディア&エンターテインメント、工業デザイン分野の法人営業を経て、2020年より現職。リモートやクラウド環境下でのペン体験の追求と、新たなビジネスを創出をするプロジェクトを推進。2児の父、趣味はアクアリウム。

川瀬 寛人(株式会社ワコム Associate Designer)
2023年ワコム入社。学生時代にプロダクトデザインを中心としたUI・UXデザインを広く学び、その経験を生かしてワークショップの企画運営に携わる。 趣味は水族館鑑賞。

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