2017年3月25日、札幌市資料館SIAFラウンジにて、2016年度のSIAFラボ報告会が開催されました。

当日は、SIAFラボのアドバイザーの久保田晃弘さんをゲストに迎え、前半は各プロジェクトについての報告、後半にはこれからのSIAFラボについてSIAFラボのメンバーとのクロストークが行われました。

 

2016年度のSIAFラボは、

SIAFラボ編集局 -サッポロを編集する-

Bent Icicle Project Tulala 2016 -ツララボ

《一石を投じる》のこれから –パブリックアートについて学ぶ-

ラボの日

の4つのプロジェクトが行われました。

 

まず、SIAFラボ編集局の報告は、参加者が調査し作成した記事を紹介するとともに、当日参加していた方々からお話を伺いました。中には、この日のためにプレゼン資料を作成してきたとのことで急遽発表を行う調査員もいらっしゃいました。どの記事も今回の報告では話しきれないような情報量を感じました。

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 1年目のツララボでは、ツララそのものの性質や成り立ちといった自然科学的な視点で活動を行ってきましたが、2年目の本年は”建築”をテーマに活動してきたことが報告されました。

 

2016年夏に開催した「垂氷まつりin summer」では、建築家、建築環境学の分野を研究している方を招いてトークプログラムを開催しました。ツララのできやすい建築からできにくい建築への変遷は、建築技術の変遷を辿るとともに、当時の人々の暮らしを伺い知ることができる有効な手段であることがわかりました。その後、2月に行った「さっぽろ垂氷まつり2017」では、ツララのできやすい建築とはどういうものかを考えるため、参加者自身が小さな建築をつくる実践型ワークショップなどが展開されました。

報告の中では、今年度新たに取り組んだ活動については新たな発見や次の展開につながる可能性を示唆するものが多かったものの、初年度から取り組んでいる「人工ツララ製造マシーン」の実験については、まだまだ改良の余地があり、来年度こそは理想的なものを生み出したいという企画メンバーの想いも語られ、可能性と課題の両方を共有する機会になりました。

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↑さっぽろ垂氷まつり2017「回転式つらら」(2017年2月6日〜12日開催)

 

「《一石を投じる》のこれから」は、2016年度に3回に渡って開催されたパブリックアートの勉強会で、毎回ゲストを招き、アーティストの島袋道浩さんとの対談形式で行われました。公共芸術、公共空間での芸術作品の様々な問題について話し合う場を設け、《一石を投じる》作品の今後の有り様を議論しながらパブリックとは何か?アートとは何か?について考える機会を得ました。

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↑《一石を投じる》のこれから「未来のパブリックアート」(2016年9月24日開催)

 

とりわけ3回目のトークについて触れられ、札幌市内の公園にも数多く見られるブロンズの像と古代のパブリックアート(像)は、時代によって社会的な位置付けが大きく異なり、古くは信仰心、崇拝すべき絶対的な存在であったはずで、現在の”公共(パブリック)”と捉え方が違ったのではないかといった話がされました。

アドバイザーの久保田さんは、芸術の歴史において一番不幸なのは、”作家”という概念ができたことで、作家という概念がなければ芸術作品はもっと自由なのではないかとお話しされ、頷いている参加者の方も見受けられたのが印象的でした。

 

 「ラボの日」は、通年のテーマ、具体的な目標などを設けず、編集局や関連イベント、持ち込み企画、その時やその場で生まれた疑問や発見を基に、トークやレクチャーといったイベントの枠組みです。本年は、芸術祭の”祭”とはそもそも何なのか?といったトークや、他都市の芸術祭の報告会、時にはワークショップとして様々な形式で行われました。

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↑「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭を知る!」(2016年11月17日開催)

 

そのほか、教育文化開会との連携事業として行われた展覧会「Air Scapes」や、メディア芸術祭札幌展との連携で行われたワークショップ「Sonic Pi講座 -プログラミングでライブをしよう!-」、SIAFラウンジを会場として行っている市民活動「アートカフェin資料館」などについても併せて紹介されました。

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↑ 教育文化会館×SIAFラボ ヤマガミユキヒロ「Air Scapes」(2016年6月18日〜7月18日開催)

 

 

後半のクロストークでは次年度の活動内容にも触れるとともに、SIAFラボのこれからについて語り合いました。

SIAFラボは、通年の活動を支える拠点としての強みを生かすとともに、SIAFラボという活動の場ができたことによって、SIAFにとって相乗効果を生んだ、あるいはこれまでとは違った影響を及ぼしたということになるとよいし、SIAFラボが発足して初めてのSIAF2017は、そういった効果を測れる最初の節目となるので、きちんとラボとしての意義を示す機会になるのではないだろうかなど、今後のSIAFラボの展望について話されました。

 

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更に、来年度に予定されているプログラムにも言及し、それぞれ参加者からも意見をいただき、今後の活動のヒントとなりそうなトークイベントとなりました。

 

2017年度は、いよいよ札幌国際芸術祭2017が開催されます。
SIAFラボでも連携した企画を実施していきますので、ぜひみなさまお越しください。