Communication Mark コミュニケーションマーク
Communication Markコミュニケーションマーク
このマークは、SIAF2020のテーマである“Of Roots and Clouds(根と雲)”を、言葉だけではなく、視覚的にも感じ、知ってもらうためにデザインしたものです。
ですから、SIAF2020の象徴としてデザインしたものではなく、今回のテーマを伝えるための、メッセンジャーとしての役割を担っています。
根と雲が、お互いのシルエットをかたち作ることで出来上がったこのマークは、お互いに欠かすことの出来ない、両者の役割を象徴しています。 イメージカラーのブルーは、今回初めての試みとなる冬季開催をイメージするとともに、澄み切った札幌の大空を表しています。そこにぽっかりと浮かぶ雲の中に“Siaf”の4文字が隠されていることにお気づきでしょう。
ひとことで空のブルーと言っても、さまざまなブルーがあります。どんなブルーにしようか、ディレクターを含め事務局内で検討を繰り返しました。18世紀末にスイスの自然科学者、オラス=ベネディクト・ド・ソシュールが、空の青さを測る器具「Cyanometer/シアノメーター※」を考案しており、これがヒントになりました。それはイメージではなく、自然界におけるリアルな空の色を再認識するきっかけとなりました。印刷における再現性も考慮し、最終的に選ばれたのは日本の伝統色「空色」でした。この色は、日本では古くから岩群青を砕いてつくられた顔料で、良く晴れた昼間の空の色だそうです。このブルーを私たちは「SIAFブルー」として本芸術祭のメインカラーに据えることとしました。
また、このコミュニケーションマークは、その有機的な表現を生かし、これから繰り広げられるさまざまなシーンに対応して自由に可変するもの、というキャラクター性を盛り込んでいます。今後の活躍を楽しみにしていてください。
このマークのもとに鑑賞者とアーティストが、SIAF2020を知り、参加し、愛し、共存する。そんなコミュニケーションの架け橋になってくれることを願っています。
ワビサビ
※参考:ソシュールによるシアノメーターにインスピレーションを受け、スロベニア人アーティストMartin Bricelj Baragaが制作した現代版シナノメーターはウェブサイトでご覧いただけます。http://cyanometer.netアートディレクター&デザイナー
1999年、工藤“ワビ”良平と中西“サビ”一志によって結成されたデザインコンビ。アドバタイジングから、グラフィックデザイン、アートワーク、映像、音楽、インテリア、ファッションまで多方面での制作活動を行っている。ワビの主宰する“デザ院株式会社”所属。JAGDA・日本グラフィックデザイナー協会理事、SADC・札幌アートディレクターズクラブ運営委員。85TH ニューヨークADC AWARDS銀賞、MERIT賞、INTERNATIONAL POSTER TRIENNIAL IN TOYAMA 2006金賞、TAIPEI INTERNATIONAL POSTER FESTIVAL銅賞、INTERNATIONAL POSTER AND GRAPHIC ARTS FESTIVAL OF CHAUMONT入選、LAHTI XVI POSTER BIENNALE入選、D&AD FACE TO WATCH 2009、JAGDA新人賞 2005、第1回東京ミッドタウンアワード準グランプリ、札幌ADCグランプリ、準グランプリ他受賞多数。