Art Mediation アートメディエーション
Art Mediationアートメディエーション
アートメディエーションってなに?
SIAF2020では、芸術祭と多様な鑑賞者をより良い形でつなぐ試みとして「アートメディエーション」を取り入れました。アートメディエーションの考え方および実践は、SIAF2020コミュニケーションデザインの「根」となる考え方です。
「メディエーション」という言葉はラテン語の「meidiare」に由来し、「複数のものの間にあり、メッセージを伝え、感覚を調整し合うこと」を意味しています。さまざまな視点や捉え方が共有される過程そのもの、あるいはその関係性として理解することができます。メディエーションは、アーティストやキュレーター、作品、鑑賞者、組織、主催者など、それぞれが交わる「あいだ」に現れます。
この「メディエーション」の考え方を起点に、アートメディエーションはそれぞれが持つ意見や知識、経験を共有しながら、アートを体験し、楽しみ、語り合うためのフラットな場であると言えるでしょう。相対的なアプローチを可能とする、複雑で多層的な考え方です。つまりアートメディエーションは、対話を生み出すプロセスであり、すべての人に開かれた平等で対等なプラットフォームです。来場者との長期的で豊かなつながりと関係に焦点を当て、新しい体験の場を創造することで、来場者をさらなる探求へといざないます。
SIAF2020では、芸術祭へ向けた準備段階の当初からアートメディエーションの視点を取り入れてきました。ディレクターやキュレーター、事務局など、芸術祭の運営に関わる全員が、「芸術祭の中心は来場者である」という意識を強く共有しました。年齢もアートへの関心度もさまざまな鑑賞者と芸術祭をつなぐための、多彩な方法を生み出すことを目標に取り組んできました。
アートメディエーションの実践は、今後のSIAFでも引き継いでほしいと考えています。また、SIAF2020をきっかけに札幌の多様な施設・組織間でこの考え方を共有し、鑑賞者を中心にすえた取り組みが広がることを期待しています。
マグダレナ・クレイス
SIAF2020キュレーター(アートメディエーション担当)
家族で楽しめるプログラムを
展開しています!
SIAF2020では準備段階より、トークイベントやアーティストを講師に迎えた体験型のワークショップを実施してきました。
また、SIAF2020開幕に向けてさらに深くアートを「見る・学ぶ・考える」ことを目指し、参加アーティストの作品や活動を巡るそれぞれの考え方を紹介するプログラムなどを展開する予定でした。
SIAF2020の開催中止伴い、想定していたプログラムは実施できなくなりましたが、子どもも大人も楽しめるアートメディエーションプログラムを皆さんにお届けします。