SIAFラボ
2022.02.10

「都市と自然とデータとかたち」
ギャラリーツアーレポート

冬本番、豪雪に見舞われている札幌!
みなさんいかがお過ごしですか?

そんな冬真っ盛りの今、札幌市民交流プラザで
SCARTS x SIAFラボ 冬の展覧会2022 都市と自然とデータとかたち
という展覧会が開催されています。

この展覧会は、札幌文化芸術交流センターSCARTSと、札幌国際芸術祭の一環として活動しているSIAFラボの共同企画によって、2018年の冬から毎年行われているもので、昨年までは「さっぽろウインターチェンジ」という名称で開催されていました。
主に冬、雪、除雪といった札幌ならではの環境をテーマとしたメディアアート作品や創作のプロセスを紹介しており、今年で4回目の開催となります。

今回は、2月5日の展覧会初日に実施したギャラリーツアーの様子をレポートします。
お集まりいただいたツアー参加者を前に、まずは展覧会全体像の紹介からスタート。

展覧会のタイトルに「都市」「自然」「データ」「かたち」という4つの言葉が並列に置かれていることの意図をSIAFラボのメンバーが解説。
その言葉の組み合わせや掛け合わせによって、どのような札幌の表情が立ち上がってくるのかを感じること、読み解いていくことがこの展覧会の醍醐味です。

ツアーの最初に紹介したのは、SCARTSモールに展示されている《雪山のかたちと地球の公転軌道》。

約半年間、豊平区・月寒にある雪堆積場で撮影した7万枚にも及ぶ画像が、地球の公転軌道の曲線に沿って展示されています。
一枚一枚の画像はルーペで覗かないと明確に確認できないサイズですが、全体は20m以上はあろうかという長尺な出力。雪堆積場の季節による変化が定点で観察でき、近づいてみてもよし、離れてみてもよし、どちらも違った発見があります。
ツアーの解説では、作品内容の説明よりも、むしろ制作技術に関することや苦労話がメインで、ギャラリーツアーでしか語られないエピソードが満載でした。

お次は場所をSCARTSコートに移動して《札幌のかたち》へ。

この作品では、札幌市内を走る除雪車約500台に搭載されているGPSのデータ(位置情報)から除雪車の軌跡が可視化され、札幌の地図にも見えるかたちが浮かび上がっています。
解説では、取得されたデータを忠実に出力することで、通信の不具合によって本来除雪車が通るはずのない線も含めて可視化されているというポイントも紹介されました。
データを活用した作品ならではの表現が、ある種のリアリティを感じさせます。

そして制作メンバーがいつか作りたいと考えていたのが、書籍!

その名も《雪堆積場の本》です。
そのまんまじゃないか!と思われるかもしれません。
そのまんまなんです!
SCARTSモールで展示されている7万枚の画像の元になった高解像度の画像の数々が凝縮されています。
これはもう手に取ってみていただくしかありません。御免なさい!

さてツアーの最後は、SCARTSコートの奥の部屋へ。
《冬のコンポジション/かたちのない彫刻》を紹介。
不思議な音に誘われて真っ暗な空間の中に入ると、床に巨大な映像が映し出されています。

これまで紹介した作品に活用されている様々なデータに加え、気象衛星の観測データや、気象台のデータ、チ・カ・ホ(札幌駅前通地下歩行空間)の人流量データなど、多種多様な情報が組み合わさり、時間の経過とともに変化していく音と映像と光のインスタレーション作品。
制作メンバー曰く、「どのデータがどのような表現要素となっているのか発見してもらいたい」とのこと。

積雪量に比例して映像が真っ白に変化したり、除雪車の軌跡が光の線を生み出しながら動く瞬間には「わぁー!」と声が上がる場面も。
ツアーでは、技術的な部分に興味を持たれた参加者が多くいたこともあり、プログラム終了後も、制作メンバーへの質問がとめどなく続いていたことがとても印象的でした。
ツアーの時間は限られていたものの、参加者は最後まで鑑賞と解説を楽しんでいただけたようです。
一人でじっくりと作品を鑑賞することもとても有意義ですが、時には制作者との対話や交流をしながら作品と接してみると、新たなアートの楽しみ方が見つかるはずです。
ギャラリーツアーにご参加頂いた皆様、ありがとうございました!

さてさて、これから展覧会を見にいってみようという方へ。
実は、「SIAFふむふむシリーズ」の一環として制作したインタビュー動画の配信と、展覧会の背景を紹介する「いろいろ紐解きパンフレット」の配布を実施しています。作品をより深く理解し楽しむための手がかりとして、作品鑑賞とあわせてぜひご覧ください!

そしてそして2月13日(日)には、制作メンバーとゲストをお招きしたトークイベントを実施します。第一部では、SIAFラボとSCARTSが共同で企画してきた冬にまつわるプロジェクトのお話を。第二部では、SIAFラボが今年から新たに始動する「S.I.D.E.(サイド)」プロジェクトについてゲストを交えてお話しします。

詳しくはこちらをご覧いただき、ぜひご参加いただけると幸いです!
https://siaflab.jp/wex2022/

まだまだ厳しい冬が続きますが、冬をアートで乗り切りましょう!
皆様お身体くれぐれもお大事に!

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