ゲイモリでふむふむワークショップに参加してみましたレポート by SIAF部
SIAF部
2022.09.09

ゲイモリでふむふむワークショップに参加してみましたレポート by SIAF部

SIAFの傍らで活動する「SIAF部」。2022年度の活動もスタートしています。
今回は、先日札幌芸術の森野外美術館で「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」の方々と実施したワークショップの様子をSIAF部員の松本さん・山際さんに当日の様子をレポートしていただきます!
*ワークショップ実施前のオンライントークセッションの様子はこちらから
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「8月27日芸森ワークショップレポート」(SIAF部員 松本さん)

27日に開催されたワークショップ「美術を耳から目から体験してみよう in 札幌芸術の森野外美術館」にお邪魔させていただきました。
まず始めに、今回のワークショップのため来札された3名の「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」のスタッフの方と、参加者の皆さんで顔合わせ。
それぞれ自己紹介の後は、スタッフの方々から今回のワークショップの鑑賞の仕方をレクチャーしていただきました。
このプログラムでは、作品から感じたことを他の参加者に言葉やリアクションで伝えながら・耳を傾けながら鑑賞していくのだそう。

目の前の作品を表現するための3つの視点(見えること・見えないこと・わからないこと)や、作品のことを伝える/受け取るときの振る舞いについて(話者と聞き手の一方向のやりとり「まっすぐモード」と、それぞれが思い浮かんだことを言葉にする「ぶらぶらモード」)などを教わりました。
できるかな?と思いつつ、あえてルールがある鑑賞にわくわくしながら鑑賞がスタート。
今回は約2時間ほどかけて5点の作品を、一点一点皆さんでじっくりと鑑賞しました。
スタッフの方々の巧みな誘導で視点やモードを切り替えながら、
例えば
何か別なものに例えてみたり(人差し指で何か指してる手?音符?髪の毛が生えてる?)
作品の温かみに共感し合ったり(岩と金属なのにあったかい、柔らかそう)
好き嫌いが分かれる作品もあれば
彫刻が置かれた環境や、現れる生き物(カラスやリスなど)に注目したり
誰かがふと思い浮かんだエピソードについて話してみたり・・・

私個人の経験の中でも、彫刻作品をこれだけ時間をかけて観たのは初めてでした。特にカラスの作品《道標・鴉》(柳原義達)は一人だと「カラスだ〜」としか思わなかったはず。

参加した皆さんの言葉やリアクションに刺激を受けながら、自分の中にも新たな感想が生まれたりして、一点一点を全身を使って味わい尽くした!と感じられるような、とても満足度の高いワークショップでした。
野外美術館には70点超の作品があるとのことで、今回のワークショップを思い出しながら、まだまだ未鑑賞の作品たちを訪ねたいと思います。本企画に携わった皆様、ありがとうございました!

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「鑑賞に参加して」(SIAF部員 山際さん)

今回は、札幌芸術の森野外美術館で行われた「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」に参加させていただきました!
最初に、鑑賞の仕方で、「まっすぐモード」と「ぶらぶらモード」という、対話の時にまじめにまっすぐ作品を鑑賞して対話するのか、それとも作品に表現されてはいないけど感じたことを話して、そこから賑やかに対話して楽しんでいくのかという二つの見方がある事について説明をうけました。
そして、そのどちらも大切ということを頭に入れ、野外美術館の作品に移動しました!
作品は全部で5点を鑑賞しました。

作品の素材や、見た形などを、視覚に障がいを持っている衛藤さんがイメージしやすいように「まっすぐモード」で説明したあと、今度は補足説明や、自分が作品を見て感じたことを「ぶらぶらモード」も交えて思い思いに対話していきました。
途中、 衛藤さんから「これってどういうことなの?」と、質問を受けたことに対して、一緒に鑑賞していたメンバーが、更にグッと作品を深く見ていくところが印象的でした。

その一言で、「鑑賞者としてもどういうことなのだろう?」と思わされたり、説明したいけど難しい印象を受けている時に言葉を詰まらせたりしました。
作品を見ていくと好きな作品、好きじゃない作品が出てきたり、対話をすることで、我々鑑賞者も、最初持っていたイメージから印象が変わることも沢山ありました!
野外美術館が広いこともあり、道中はどんどんと自由に会話も増えて、大人の遠足のようなワクワク感もありとても楽しかったです!


撮影:詫間のり子

対話をしながら、じっくり作品を見ていたので、参加者としてはとても歩いた印象でしたが、実はほとんど移動もしておらず、作品数もまだまだ何倍もある野外美術館の広さに驚きました!
また今度、人を誘ってゆっくりと作品鑑賞に伺いたいと思いました。

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2022年度のSIAF部の活動は続きます。
引き続き、ご注目ください!

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"視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ" × 札幌芸術の森美術館 × SIAF
ワークショップ「美術を耳から目から体験してみよう」 in 札幌芸術の森野外美術館
|2022年8月27日(土)実施
|10時00分 – 12時30分

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