SIAF部
2022.01.14

SIAF部 潜入レポート!

みなさんあけましておめでとうございます!
今年も札幌国際芸術祭のさまざまな情報をこのブログでお伝えしたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します!

さて、新年一発目のレポートは、前回に引き続きSIAF部の活動から。
1月8日から開催されるモエレ沼公園での展覧会「AKARI:無重力のパラレル」におけるSIAFふむふむシリーズのプログラムに向けて昨年から様々な準備を行っているSIAF部。
より楽しんでもらうためのプログラムを形にするべく、
開幕二日前に迫った1月6日、アーティストの川上りえさん、モエレ沼公園学芸員 宮井さんのご好意で、展覧会の設営現場を見学させていただきました。

見学会当日。
なかなか入ることのできない展覧会の設営現場ということもあって、部員も少々緊張気味。

 

細川マネージャーからの事前レクチャーを受けて、いよいよ展示室へ潜入!
作業が本格化する少し前だったこともあり、宮井さんからのあいさつに続いて、アーティストの川上りえさんから、現在の進捗についてお伺いすることができました。

さてここからは、開催を間近に控えた設営の様子と、そこで感じたことをSIAF部員にレポートしていただきましょう!

<SIAF部員レポート① 部員:柳澤 明美>
見学させていただいた時点では、2013年の国立新美術館の展示(?)をリメイク展示するのための修正(8メートルの高さから4メートル弱のサイズ修正のハンダ付け)が一段落し、微調整をしている段階で、細部にわたる調整と《AKARI》との調和設置を始めている段階でした。
川上さんの作品とイサム・ノグチの《AKARI》との共存のための試行錯誤が行われていました。位置関係だけではなく、光量や角度など多くの要素が影響する繊細な作業が続いていました。
スポットライトの光、《AKARI》の和紙を通した光、角度・距離などのファクターで、川上さんの作品の質感、硬度、色味まで大きく変わってしまいます。
それぞれの光を纏い、まったく違う顔を見せる金属が意思を持ち始めているようです。
妥協を排除した攻防がこの後2日間続くのでしょう。作品としての完成形がどんな表情を見せているか?が、15日公開後の作品を見る楽しみです。
<SIAF部員レポート② 部員:今まき>
いざ会場へ、入口にはもう案内が設置されています。
ワクワクやドキドキを抱えながら扉の奥へ進むと…え…真っ暗。
暗闇から奥へ進むとかすかな緊張感とものづくりの高揚する空気が広がっています。
川上りえさんの作品の繊細さに心をざわつかせ、さぁ、撮影です。
金属(と言っていいんでしょうか)って冷たい、硬い、直線的という私の凡庸なイメージ。
ところが目の前の作品は温かさ、柔らかさを感じます。
仮置きされた提灯(?)が設置されたらどんな空間が広がるんだろう。
無重力のパラレルとはこう表現されるのか。
いろいろな思いを写真に撮ろう。
意気込んだものの、んん…つまらない写真ばかり。
せっかくの詫間マネージャーのレクチャーが⁈
写真家の方へのリスペクトも感じながら撮影終了です。
貴重な機会を生かしきれないままの撮影となってしまいましたが、完成をゆっくり鑑賞するのが楽しみです。
<SIAF部員レポート③ 部員:伊藤 拓>
モエレ沼公園の真っ白な景色を見ながら会場へ。この日は快晴、ガラスのピラミッド内では光が輝きを増し視界が白くかすむほど。
期待感が最高潮に達します。
展示室に入ると一転して暗い世界に、静かに興奮。
まず目に入ったのはイサム・ノグチの《AKARI》ですが、いくつかの作品はまだ灯る前、地上で眠り寝息を立てながらその時を待っていました。
川上さんの《Zero Gravity》は、ぱっと見まだ設置していないのかな?と思うほど繊細で空間に溶け込んでいます。
金属というよりは、やわらかい何か植物のような、もしくは物質でもない空気のような印象を受けます。
おふたりの作品が共存する空間は、上も下もなく、自分の立つ位置や視点を変えれば空間そのものの印象が変わる、不思議な体験ができます。
今日は写真をたくさん撮るつもりで来たのに、ああ、自分の目でずっと見ていたい・・・と強く感じました。
名残惜しく会場を出ると、また眩しい真っ白の世界。公園の景色も含めて全部が今回の展示の見どころなのかもしれません。
<SIAF部員レポート④ 部員:鎌田 洋子>
『展覧会の舞台裏をのぞいてみよう!!』まさに、現場にお邪魔してきました。何もない空間を作品に変えていく行程は、作品が生まれる“その時”であり、作家の感性の行き先を目撃できる、貴重な時間。
ワクワク、ドキドキで扉を開きました。忙しい中、川上さんは挨拶をして下さり、迎え入れてくれました。
初めて川上さんにお目にかかり、涼やかで爽やかな優しさ、理知的な人柄に触れることができ、この方だから作り出せる繊細で、広がりのある世界がそこにあるのだと、作家と作品がやっと一致。作品への興味はマックスへ。スペースにはこれからセットされるであろうスポットライトや作業の脚立や工具、散乱ゴミ、そして出番を待つ《AKARI》達。
未完から完成に至る中に、間違いなく居る実感。
展覧会が始まるまでに消える風景の中、作家の中から湧き出てくるものを形にする「動の時間」。
遠目でみたり、近づいたり、歩き回ったり。
《AKARI》の大きさや照度、作品との位置やバランス。
川上さんの中にしかない琴線のNOとOKを繰り返し、簡単にはGOにならない現場。今、この空間に居られること、この緊張に触れられること、幸せでした。お邪魔でしかない私たちに「これも大事な記録だから」と言って頂き、感謝いっぱいの見学でした。次回は完成形で幸せになります。ありがとうございました。

 

以上参加した部員のレポートでした!
見学が終わった後も少しだけみんなで感想を共有。
それぞれ本当に貴重な機会となったようです。

川上さん、宮井さん、モエレ沼公園の皆さん、ありがとうございました!
ぜひみなさん展覧会に足を運んでみてください!

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