センシング・ストリームズ トークシリーズ #2 レクチャー「札幌の時空の流れを掘り起こす
札幌駅前地下歩行空間(チ・カ・ホ)での特別展示「センシング・ストリームズ」は、札幌の豊かな地下水脈、人々や現代の情報環境に注目し、11組のアーティストが自然や都市におけるさまざまな情報の流れ(ストリームズ)を感知(センシング)し可視化したり、水脈の存在を想起させる作品で構成されています。
「センシング・ストリームズ」では、札幌の過去や現在にアートを通して新たに出会う場となります。それはまた古生物学、北方文化など、地球史・人類史的な側面から札幌の見えざる側面を発見していく契機ともなるでしょう。
「センシング・ストリームズ」についてより深く知っていただくためのトークシリーズを開催いたします。
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センシング・ストリームズ トークシリーズ #2
- ■出演:
- 古沢 仁(札幌市博物館活動センタ― 学芸員)
モデレーター:四方 幸子(SIAF2014アソシエイト・キュレーター) - ■日時:
- 2014年8月11日(月)18:00-19:00
- ■会場:
- 札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)北3条交差点広場
- ■参加費:
- 無料
レクチャー「札幌の時空の流れを掘り起こす」
碁盤目状の市街地をもつ190万都市・札幌。ビルが林立する現代的な都市でありながら、中心部にもそこここに息づく自然が顔を出しています。このレクチャーでは、明治時代以降の都市化や1972年の札幌冬季オリンピックなどを経て地上そして地下へと拡張した札幌を、アイヌの人々が暮らしていた時代、それ以前の時代、ひいては人類以前の古代まで遡り紹介します。北海道という島の成り立ち、氷河期やその後の縄文海進などの地殻・環境変動、奥定山渓に発する豊平川が運んだ砂礫で形成された扇状地としての札幌とそれによる豊かな水脈…。ここでは整然と見える札幌が、ダイナミックな自然や人々の営みにより生み出された、様々な層や歪みをもつ複合体として浮上することになるでしょう。
古沢 仁(ふるさわ・ひとし)プロフィール
札幌市博物館活動センター学芸員(専門:古生物学)。1956年、札幌生まれ。北海道教育大学卒。理学博士(鹿児島大学)。海牛類、鯨類など海にもどった哺乳類の進化を、地球環境との関わりから解き明かすことをテーマとして研究中。著書には『化石から生命の謎を解く』朝日選書(共著)、『新版・化石の研究法』共立出版(共著)、『日本地方地質誌』朝倉書店(共著)、『時を流れる川』福音館書店などがある。
「センシング・ストリームズ トークシリーズ」
#1 アーティストトーク「<島めぐり>をめぐって」[終了]
8月4日(月)18:00-19:00
出演者:進藤冬華(出展アーティスト)、篠原智花(音楽家、民族音楽研究者)
#2 レクチャー「札幌の時空の流れを掘り起こす」
8月11日(月)18:00-19:00
出演者:古沢 仁(札幌市博物館活動センタ― 学芸員)
#3 アーティストトーク「水脈都市としての札幌」
8月18日(月)18:00-19:00
出演者:露口啓二(出展アーティスト)、在田一則(北海道自然保護協会会長/北海道大学総合博物館資料部研究員)
#4 クロストーク「さっぽろメディアスケープ:つながる都市」
8月25日(月)18:00-19:00
出演者:石田勝也(札幌市立大学講師)、小町谷圭(札幌大谷大学講師)、船戸大輔(プログラマー)