SIAF2014

アーティスト・作品

エキシビション プロジェクト パフォーマンス/ライブ

エキシビション

砂澤 ビッキ

旭川市に生まれ、民芸風彫刻に携わっていたが、1953年に鎌倉に移住。独学で絵画を学び、モダンアート協会や読売アンデパンダン展に出品。澁澤龍彦らと交友を深め、抽象的、シュルレアリスム的な絵画を制作。やがて彫刻にも本格的に取り組み、1958年にはモダンアート協会の彫刻部で新人賞を受賞。翌年旭川に戻り、1967年には札幌にアトリエを移すが、1978年に音威子府(おといねっぷ)に移住し、精力的に制作活動を行った。
若い頃から始めた木彫が、砂澤の創作活動の中心となる。有機的なフォルムで生命力あふれる木彫は、繊細な小品からモニュメント的な大作まで多岐に渡る。晩年は「風」をテーマにダイナミックな作品を制作。札幌芸術の森野外美術館に設置されている《四つの風》は、高さ5mを超えるエゾマツ4体を用いた砂澤の生涯で最大の作品であり、それに自然が「風雪という名の鑿」を加えていく。風を「四頭四足の獣」と詩に詠んだように彼は風と4という数を深く関連づけている。同じくエゾマツを彫り出した《風に聴く》においても、木精を思わせる4本の柱が連立している。
SIAF2014では、札幌芸術の森美術館で、一本のナラの木から彫り出された《神の舌》と晩年の代表作《風に聴く》が観客を迎える。木という素材と向き合い、直彫りすることで触覚的にその本質を引き出す砂澤の造形は、祈りにも似た自然への畏怖の念を想起させる。

Sunazawa_300

《風に聴く》1986
札幌芸術の森美術館蔵

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