SIAF2014

アーティスト・作品

エキシビション プロジェクト パフォーマンス/ライブ

エキシビション

栗林 隆

武蔵野美術大学を卒業後、渡欧。ドイツのクンストアカデミー・デュッセルドルフを修了した。栗林は、人間社会や自然界にさまざまなかたちで存在する「境界線」をテーマに作品を制作している。植物、土、水など自然の素材を組み合わせた大規模なインスタレーションにより水際や山際の情景をつくりだし、観客はその内部に取り込まれるように、あるいは俯瞰するように境界線の両側の世界を体感する。作品にしばしば登場するペンギンやアザラシといった動物は、水中と陸上を行き来し境界線を象徴する生き物として用いられ、ユーモラスな作品の道しるべ役も果たす。
シンガポール国立博物館(2007)、ソウル・ビヨンドミュージアム(2011)での個展をはじめ、第1回シンガポール・ビエンナーレ(2006)など国際展への参加多数。国内でも「ネイチャー・センス展」(森美術館、東京、2010)ほか、多くのグループ展に参加している。2012年に個展「WATER >|< WASSER」を開催した十和田市現代美術館には、《ザンプランド》(2006)が恒久設置されている。 今回は、木を原料とする和紙によって作られた白い林《ヴァルト・アウス・ヴァルト(林による林)》(2010–)を、札幌芸術の森美術館がもつ空間の特性にあわせて再構成する。日本的な空間の間仕切りなどに見られる狭間や、レイヤー構造の概念によって、和紙の林が思いもよらない視点から観客の前に開ける。それは北の大地を彷彿とさせながら、自然と人工の境界線に立つ人間の存在について、ふと立ち止まって考える機会を我々に与えてくれるだろう。 http://www.takashikuribayashi.com/

Kuribayashi_300

〈参考作品〉
《ヴァルト・アウス・ヴァルト(林による林)》2010
個人蔵
Photo: Osamu Watanabe

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