SIAF2014

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エキシビション プロジェクト パフォーマンス/ライブ

エキシビション

中谷 宇吉郎

「雪は天から送られた手紙である」の名言で知られる実験物理学者。東京大学で生涯の師と仰ぐ寺田寅彦に出会い、その指導のもと、火花放電の研究を行う。1928-1930年ロンドンに留学後、北海道大学に赴任。雪の結晶の美しさに魅せられ、雪の研究を始める。十勝岳の山小屋で天然雪の顕微鏡写真を約3,000枚撮影し、それを基に雪の結晶の分類を行った。1936年に世界初の雪の結晶の人工製作に成功。雪の結晶形とその生成条件の関係を明らかにした。また、凍上、着氷など時代が求める寒冷地特有の問題の解決にも尽力した。1952年にシカゴの雪氷凍土研究所に招聘され、氷の単結晶の研究に従事。1957年、国際地球観測年のグリーンランド遠征隊に参加して以降、毎年夏に同地へ赴き氷の研究を続けた。グリーンランドでは、数十万年にわたって降雪が堆積・氷化した氷床を掘削し、掘り出したアイスコア(柱状氷)から地球環境や気候の変動を探る研究が行われた。随筆家としても知られ、『冬の華』、『雪』をはじめ多くの優れた随筆を著す。また科学映画の製作にも早くから携わった。
SIAF2014では、中谷の研究の礎となった火花放電の写真、並びに天然雪と人工雪の写真を膨大な研究資料から厳選し、芸術的観点から評価を行う。自然に常に謙虚に向き合い、その秘密を解明すると同時に人々に役立つ研究を目指した中谷の科学的な眼差しは、現代に生きる私たちに様々な示唆を与えてくれる。

参考サイト:中谷宇吉郎 雪の科学館
http://www.kagashi-ss.co.jp/yuki-mus/

NakayaU_300

「雪の結晶・星状六花」
(十勝岳・白銀荘での第1回観測で1933年12月22日撮影ガラス乾板)
加賀市中谷宇吉郎雪の科学館所蔵

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