SIAF2014

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センシング・ストリームズ トークシリーズ #3 アーティストトーク「水脈都市としての札幌」

8月は毎週月曜日18時より、札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)での特別展示「センシング・ストリームズ」についてより深く知っていただくためのトークシリーズを開催しています。

第3回目となる今回のテーマは「水脈都市としての札幌」。
札幌は、奥定山渓に発する豊平川が運んだ砂礫により形成された扇状地の上にある、豊かな水脈都市です。開拓前には水脈に沿って13カ所のメㇺ(アイヌ語で「湧き水」)があり、アイヌの人々が生活をしていました。明治以降の近代化を経て前世紀半ば頃に涸れてしまったメㇺですが、寄り添い存在していた3エリア(現在の知事公館、植物園、偕楽園跡周辺)には名残が現在も見られます。本展そして本トーク会場である札幌駅地下歩行空間(チ・カ・ホ)は、メㇺのあったエリアに近接しています。このトークでは、これまで水脈をテーマにした作品を発表し、新作《Map of Water SAPPORO/FUKUSHIMA》を展示する露口啓二氏(札幌在)に制作の背景をうかがうとともに、札幌の古地形を研究されている在田一則氏と札幌の水脈について掘り下げていただきます。

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■日時:
2014年8月18日(月)18:00-19:00
■会場:
札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)北3条交差点広場
■参加費:
無料
■出演:
露口啓二(出展アーティスト)
在田一則(北海道自然保護協会会長/北海道大学総合博物館資料部研究員)
モデレーター:四方 幸子(SIAF2014アソシエイト・キュレーター
■露口 啓二(つゆぐち・けいじ)
1950年、徳島県生まれ。1989年にフレメン写真製作所を設立し、写真の可能性、表現方法に関する研究・実験を行う。1990年代末より、北海道の風景と歴史に着目した写真の発表を始める。1999年より撮影が開始された「地名」シリーズは、国内外で広く紹介され、パリ、ローマでの発表の後、2004年「ノンセクト・ラディカル- 現代の写真Ⅲ-展」(横浜美術館・横浜)に出展。近年では、2012年《Natural History(倉石信乃との共作)》を「SNOWSCAPE MOERE-再生する風景-」展に出品(モエレ沼公園ギャラリー・札幌)、2013年「アクアライン展」(札幌芸術の森美術館)などに参加している。

■在田 一則(ありた・かずのり)
1941年札幌に生まれ、円山や藻岩山の麓で育つ。小学校の頃発寒川で泳ぎを覚える。大学では山系のクラブで山や沢に親しみ、地質学を学び、日高山脈やヒマラヤの成り立ちを調査研究。ネパールでの調査では人々の生活と水(河川)とのありようを実感し、現在は北海道自然保護協会において、特に河川・渓流問題に興味を持つ。北大総合博物館での「地質の日」(5月10日)企画展示では豊平川扇状地関連の展示を行なっている。