札幌国際芸術祭

企画:上遠野 敏

展示すすきの会場(札幌の三至宝)

会期 8月6日(日) – 10月1日(日)
時間 13:00 – 20:00
休館日 月曜 ※ 8/7(月)、9/18(月・祝)は開館
会場 北専プラザ佐野ビル 地下1階(札幌市中央区南5条西3丁目2)
写真:藤倉 翼

レトロスペース坂会館別館館長:坂 一敬 写真:藤倉 翼

1994年6月に開館した「レトロスペース坂会館(本館)」は、館長・坂一敬が私財を投じて、失われていく昭和の身近に使っていた雑貨を数万点収集した私設博物館。隅々まで磨き上げられ精緻に陳列されたコレクションには、まるで館長の命が吹き込まれたように、人と物との関係が濃密に宿っています。

文化として清濁分け隔てなく同一の愛を注ぎ、慎ましくも深い洞察力の結晶が並ぶアートを超える札幌の至宝です。北専プラザ佐野ビルには会期中限定で「別館」をオープンします。本館でも紹介されたことがない秘蔵コレクションを、元バーカウンターであった独特の空間に坂館長自らが展示。併せて札幌の写真家・藤倉翼が撮影した本館の様子と館長の写真が展示されます。

大漁居酒屋てっちゃんサテライト画:阿部 鉄男 写真:藤倉 翼 協力:UR都市機構、小熊商店

「てっちゃん」こと阿部鉄男さんが、20年の歳月をかけて埋め尽くした店内のコラージュ空間は圧巻。トイレの水槽コラージュ&アッサンブラージュも必見で、世界中を探しても唯一無二な空間です。「てっちゃん」いわく、「レコードジャケット貼りからはじまり、正月三ヶ日に店に泊まり込み、貼り込んで起点を形成。

その後、お客さんとの交流も加わり次第にアイテムが増えて現在の状況となりました。」すすきの会場では写真家・藤倉翼が撮影した大漁居酒屋てっちゃんの写真と、「てっちゃん」が空いた時間に制作した、家族の肖像といえる油絵や素描を公開。描く喜びがほとばしる絵画。技術より大事なものがそこにあります。

写真: 都築 響一

北海道秘宝館「春子」協力: 都築 響一

北海道秘宝館(札幌市南区定山渓)は、2010年に閉館となりましたが、そこに展示されていた蝋人形の造形力は他に類を見ないほど素晴らしいものでした。閉館後、この蝋人形は館内が荒らされたため損傷していましたが、東京の個人が譲り受けて丁寧に修復を施しました。持ち主は蝋人形を「春子」と名付け秘宝は至宝へと蘇りました。あの名作を札幌の至宝として紹介します。

展示札幌市資料館会場(北海道の三至宝)

会期 8月6日(日) – 10月1日(日)
時間 10:00 – 18:00
休館日 月曜、9/19(火) ※9/18(月・祝)は開館
会場 札幌市資料館(札幌市中央区大通西13丁目)
三松正夫 11次大爆発(1944年): 三松正夫記念館提供

地球の声を聞いた男・三松正夫の昭和新山火山画協力: 三松 三朗(三松正夫記念館館長)

北海道有珠郡壮瞥町の元郵便局長三松正夫は、戦時中に世界で唯一、火山の生成を記録した人物です。東京美術学校(現東京藝術大学)を目指していたこともあり、日本画として和紙や絹本にリアルに描かれたその火山の姿には目を見張るものがあります。いずれも珠玉の逸品といえるでしょう。

また、昭和新山の標高を定点観測した「ミマツダイヤグラム」は、世界的に高い評価を受けています。昭和新山は三松が私財を投じて購入した個人の所有物で、火山そのものが世界に誇れる博物館の資料となっています。札幌市資料館では火山画(一部レプリカ)と資料を公開展示し、その魅力を伝えます。

《這い吠え熊》清水作(旭川): 山里稔コレクション

北海道の木彫り熊~山里稔コレクションを中心に協力: 山里 稔、清水 敏、瀬野一郎、渡辺 拓治、上田 悟、曽山 輝義

木彫り熊は、北海道を代表するお土産という時代もありましたが、その後、近年まで評価されない時期が続きました。それは、安価で大量に作れる機械彫りの熊が登場したことが一つの要因であり、その人気は衰退してしまいました。

そこで改めて、手彫りによる熊を見てみると、そこには命が宿っているように感じられます。彫り師たちが試行錯誤を重ね造形性を高めた、世界に発信すべき芸術作品といえるのではないでしょうか。そのお土産熊を俯瞰するため、造形作家・山里稔の木彫り熊コレクションと道内の名作熊が一堂に会します。

赤平炭鉱坑内模式図(部分): 赤平市教育委員会提供

赤平住友の炭鉱遺産:坑内模式図 [限定公開] 8月6日(日)–8月17日(木)協力:赤平市、赤平市教育委員会、吉田 勲、三上 秀雄、赤平コミュニティガイドクラブ “TANtan”

2016年に住石マテリアルズ株式会社から赤平市に旧住友赤平炭鉱の立坑、坑口浴場などが一括譲渡されました。今回公開となる坑内模式図はこれまで一般に公開されたことはなく、SIAF2017が初めての機会となります。この模式図は、全長200キロメートルの坑内を図面に収めた炭鉱の羅針盤といえるもので、坑内測量職員がどのように作業を進めていくのかをこの模式図によって判断するという大変重要な役割を担っていました。その実務的な機能がなくなった今、絵画としてこの模式図を見てみると、北海道の絵画史の書き換えを余儀なくされるほどの逸品に見えてきます。

特別プログラム北海道の三至宝:アートはこれを超えられるか!

開催日 8月11日(祝・金)
時間 13:30 – 17:00
会場 札幌市資料館 研修室
ゲスト 三松 三朗/山里 稔/吉田 勲 ほか
モデレーター 上遠野 敏

札幌市資料館で公開する三至宝にまつわるそれぞれの専門家が集結。熱いトークが繰り広げられます。

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